6月25日 グラフィックと社会とデザイン 中垣信夫

長年グラフィックデザイナーとして活躍されている中垣信夫さんの講義でした。

 

人間は新しい機械を作るが、

新しいものをつくるということは人間の機能を拡張することである。

ラジオといった音のみでしか伝えられない時代、落語(言語の芸術)といった言語の面白さの発達があった。

しかし、テレビといった映像が発信できるようになると、体をつかった芸などが多くなり、言語の面白さは衰退していった。

→こういった技術の進歩で人が持っていたものを失う、人間の能面化なのではないか。

 

グラフィックの技術も、PCの普及によってそうなりつつある。

昔は直接人と会うことで繋がりがあったが、今はバラバラになっていっている。

デザインの幅は振り子のように振れ幅が今小さくなていて、車やスマートフォンなど、色々なものはほぼ同じ形をしている。

→物の能面化が進んでいる。

 

この講義では人類とデザインの進化に落ちる影のようなものを、高齢の視点から警告しアドバイスをいただくような形でした。現代のハイテク化にともなって失われていくものは無駄なものではなく、これからも伝わっていくべきものということは、いろいろな町工場などの技術への注目でもわかる現代の課題点だと感じています。今の人たちに向けた答えというのも当たり前のように必要ですが、未来にむけてどう進んでいくか、その時過去のものにどう向き合うか、温故知新の言葉を大事にしたいと感じました。